断層探検7
松本地震の震源域  2013.6.30
M5.4の松本地震からちょうど二年のこの日、震源域を訪れました。

篠ノ井線 村井駅下車。


駅前のそば屋で昼食。
夏はやっぱり冷やしおろしでしょ。


しなのあずさがひっきりなしに通過する特急街道です。


駅のすぐ北の踏み切りを西に進むと、宗教的な小:径を発見。


お寺の参道でした。
泉龍寺


すぐ隣に道祖神の祠


さらに、大きな神社があります。


都波岐神社
つばきと読むそうな。

でもつなぎとも読めますね。
もしそうなら、何かと何かをつなぐ
つまり断層がずれないように祈る、ために
建てられたと考えることもできるのですが。

東を振り返ると線路まで参道が続いています。
お寺と神社の参道が平行に並んでいるとは不思議です。


参道は大木に囲まれています。
ちょっとスピリチュアルな雰囲気。


りっぱな拝殿。


中をのぞくと、要石か?


森を抜けると唐突にポッカリ開けた空間が出現。地図を見るとまるで空港のようです。


北上します。
このエアポケットのような領域が震源域のようです。


ときどき集落がありますが、地震で崩れた壁を再建中でしょうか?


芳川小学校。
エアポケットの中に唯一突出した建物です。それほど被害はなかったようです。

遠く平田駅を通過。


ホームセンターの綿半ホームエイド。
天井が落下したり棚がずれたそうな。


道と用水路がくねっと曲がっています。
よく見かける光景ですが、どうしてずれたのかいつも気になります。


こちらは瓦の落下被害が甚大。
もうあきらめたのか放置中です。


参道によく見られる石柱。
でも神社は見つかりませんでした。


こちらはお寺か?


奥へ進むと稲荷神社発見。


さらに進んで松岳寺


この辺の地名は「野溝」。
平坦に見えますが、確かに用水路が南北に流れているので溝なのでしょう。

諏訪神社。
摂社も豊富で大規模です。

大きな道に出ました。
そろそろ探検終了にします。

入り組んだ住宅街の中に神社。


石芝天満宮。


本殿がある本格派です。


東の南松本駅を目指します。
駅の近くの公共施設。崩壊したままです。

牛伏寺断層に平行なので、糸静線に関係した地震だったのは間違いないでしょう。
震源断層は一本ですが、平行に何本も地震断層があるのですね。これは中央構造線との違いです。


井戸尻遺跡の謎  2013.7.7
富士見町の井戸尻遺跡を訪れました。
中央線 信濃境駅下車。
その名のとおり、長野-山梨県境付近です。

駅舎内に土器の写真が飾られています。


南に、ずっと急な下り坂。
帰りを思うとぞっとします。

前日に梅雨明け発表がありましたが、この日の高湿度は梅雨そのものです。

井戸尻考古館到着。


庭には岩石標本が。
中央構造線、糸静線が交差するあたりなので、花崗岩や黒曜石など種類が豊富です。


中には大量の土器が展示されています。
蛇と月の関係や、謎の水棲生物(イルカ?)のデザインなどが印象的でした。


駐車場から南を望む。
この谷の底に糸静線があります。


隣接する歴史民族資料館。
民具などの展示館です。

明治期の手の込んだ地図。
じっくり見させて頂きました。

公序良俗違反発見。
昔は合法だったのでしょうか?


豊科の博物館のポスター。
これは気になる。そのうち行きましょう。


これが古代のミステリー。
2300年前から1300年間、この辺りは無人だったのです。
2300年前といえば、糸静線の前々回の活動時期なのかもしれません。


博物館の周囲は広大な植物園になっています。




復元した住居跡。
竪穴式住居は湿気がこもりそうですが、冬は暖かいのかな?
あるいは塹壕のようにも見えます。火山噴出物から直撃を避けるためなのか?


帰りがけに世界遺産となった富士山がチラッと見えました。
縄文人は富士山の頻繁な噴火を眺めながら暮らしていたとのこと。


こちらは帰りに寄った富士見町図書館前の八ヶ岳。
この火山の噴火の歴史は謎だそうな。

井戸尻の縄文人が2300年前に消えた謎。地震なのか八ヶ岳なのか、古代史ミステリーは面白い。


根知川の糸静線断層露頭  2013.9.8
しつこく糸静線です。
岡谷発南小谷行きのワンマン列車に、辰野から乗って南小谷到着。
ミニエコー時代にはありえなかった運用ですね。


乗り換え時間があったので、小谷村郷土館訪問。
元村役場だそうな!なんてシュール。


目玉の展示は恐竜の足跡
ふーん。


私の興味はこっち。
全域が破砕帯の姫川沿いはとにかく崩れやすく、災害のデパート。
平成7年には水害で大糸線が廃線の危機を迎えましたが、長野五輪ピック効果で?奇跡的に復活しました。


明治44の平穏な月夜に、幅8km,高さ300mが崩落したそうな! ヒエー(´Д`)

すこし前まで大雨が降っていたので、姫川はご機嫌ななめ
どうぞ、安らかに。


キハ120はジオパークラッピング
力はいってます。

18きっぷシーズンなので激混みでした。

根知駅下車。
天気はくもり時々小雨。


駅前の民家に案内図が。


根知川を大糸線が越える。


入り口に到着。
右下には怪しいも。


近くに駐車場もあります。
朝から何も食べていませんが、売店は8月いっぱいの営業だった模様....。

巨大レリーフもありました。
でも、ただの地図のようです。

観察路を進むと、トレインビュー発見。


親切なことに時刻表完備。
撮り鉄しようと思いましたが、ちょっと時間あり過ぎ....。


なんと大糸線も展示物なのです。


ところどころ、暇つぶしのクイズがあります。


へー、西の灯油タンクは青いのか。知らなかった。

だしはカツオか昆布か、もちは丸か四角か、など糸魚川は文化の境界だそうです。
それは絶壁親不知のせいでしょうが。

しばらく進んで、断層露頭到着。


おお、しっかりした観察路。


へっ?
ぬり壁ですか。力抜けた....。


ジオパーク」はここが発祥の商標?だそうな。
なら、せめて屋根付けて露頭は自然なままに露出させて欲しかった。露頭なんだから....。


小雨も降っているので、電位はほぼ
まあ、当然。


フォッサマグナの若い山々が、申し訳なさそうに姿を見せてくれました。
しっかり頼むよ。

観察路に戻ってすこし進むと巨大枕状溶岩。でも覆いがあってよく見えない....。
大丈夫か糸魚川市?
車で来た人は、ここであきれて引き返すでしょう。


我慢して進むと公園に到達。


おお、これはすごい!
枕状溶岩の巨大露頭。

かつて海中で溶岩が噴出した証拠です。
こうしてフォッサマグナは溶岩で埋め尽くされたのですね。
でもなぜマントル(溶岩)に達するほど日本列島は深く割れたのでしょう?

コピーライトレスなド○えもん
混沌を暗示するかのようです。

根知川の浸食によって、枕状溶岩が露出したのですね。


空腹でふらふらしながら集落を歩いていたら雑貨屋さんでとんがりコーンゲット。助かった。

あっ! 断層の延長線上は家屋跡。


お隣もどうやら廃屋だ!
北端でも糸静線の法則は生きてた!

糸魚川市さん、フォッサマグナミュージアムに力入れすぎていませんか?
現場は確かに地味ですが、原点を見直してもらいたいものです。


バイクで中央構造線露頭めぐり  2013.9.22
久しぶりにMTLです。
この日はバイクで南信濃、上村、大鹿村を縦断しました。

ここは飯田市南信濃。国道152号が走る谷が中央構造線です。


国道は別名秋葉街道
火よけの神、秋葉神社は中央構造線からは離れています。


この先にいつか行ってみたい青崩峠があります。


看板1号 埋没林ヒノキ
地すべりで714年に埋没したヒノキが川原にあるそうな。

看板に気になる記述が....、
「━━中央構造線が活断層であることの証拠です。」
断定しましたね。心強い。

中央構造線は対岸を走ります。
地すべりの原因は何でしょうか?
....わかりやすい導入です。(笑)

「オートバイの方、必見」の看板につられて木沢小学校。


大きな木造校舎です。
すこし前まであちこちにあったような気がしますが、そういえば珍しくなりました。


おっと、遠山森林鉄道ですと。
募金箱があれば千円くらい入れてもいいのですが....。


小学校の横に神社。


南信濃や上村は霜月祭りで有名です。
神社密度も高いですね。

西の対岸はミルフィーユ状。
三波川帯です。


転がっている赤い石はチャートでしょう。
赤石岳の語源です。
海の生物に由来する岩石で、三波川帯などが付加体である証拠です。

こちらも層状の三波川帯の岩石。


国道は途中で行き止まり。
代わりの林道に入ってすぐに露頭の看板が。


看板2号 遠山地域の中央構造線
観察地が3つあるようです。

手前を右に流れていた川が、横ズレ後に写真奥へ流れるようになったそうな。


看板3号 活断層地形
看板の向きが写真とずれているので、ちょっとわかりずらいです。


この看板は迷います。
奥の小屋の方かな?と思ってしまいましたが、実際は舗装路を進みます。


露頭到着。


看板4号 程野露頭
これらの看板は今年作られたようです。

沢沿いに進むとすぐに露頭到着。
水平6.5m、高さ2mの変位。
一度に動いたとしたら、変位量はM8の根尾谷断層に匹敵しますね。

看板5号 折れ曲がった尾根
どうやら、まだ名もない露頭があるようです。


おお、ケルンコルだ。


でも道がありません。
破砕帯へ中途半端に造成しても無駄でしょうが。


ざらざら崩れる砂地に七転八倒しながら、ようやく鞍部に到着。


苦労したご褒美に絶景。


さらに進むと露頭が見えました。
急斜面なので近づくのは無理。
崩壊のため、くっきりとした境界は見えません。

林道を進んで、右は南アルプスの絶景が拝める「しらびそ峠」。
天気が下り坂なので左へ進みます。


地蔵峠。
ここもケルンコルのはずですが、ちょっと雰囲気が違うような気がします。
ところで国道はどうして放棄されたのでしょうね。ここから国道が復活。

露頭の看板発見。


細い道を下って、川原の案内看板を確認。
ここが名高い安康露頭

まずは真横から観察。
くっきりとした層がいくつも見えます。


清流の名は青木川。
露頭は洗い流されて刻々と姿を変えていくようです。


真ん中の黒い帯が中央構造線。
鉱物の組成を分析して確定したそうな。
知識や経験では判別できないのですね....。


上流側はもちろん三波川帯。
全域灰色です。

何も知らない人が見たら気味悪いかもしれませんね。

ミルフィーユ状の岩石を手に取るとボロボロ崩れます。


露頭の反対側にももちろん断層は続いていて、あちこちに露出しています。


国道を北上して、大鹿村市街手前。
先日、JR東海が公表したリニア計画では、この辺りの地下を通るそうです。


重機がいたり、何かの基礎が出来ていたり、実は着々と準備が進んでいるのかも知れません。


中央構造線博物館。
また訪問したいです。

砂利の採掘場がありました。
三波川帯の岩石でしょうか?


山道を伊那谷へ進んで喬木村。
リニアはこの辺りで天竜川を越えて、リニア飯田駅に至ります。
糸静線、中央構造線、伊那谷断層帯など、多くの活断層を突き抜けますが、無事に工事が進みますように。



伊那谷断層帯 田切断層の露頭  2013.11.17
伊那谷断層帯の露頭を探検しました。
飯田線小町屋駅下車。
数年前まで線路の反対側に駅があったことを今の高校生は知らないだろうなぁ。


西に進んで国道を越え、赤穂小学校の西門前。
西に向かってずっと坂です。


地図にない神社発見。


すぐ先は長福寺。


この川はグニャグニャ蛇行しています。



お寺も断層崖の上なのか?
どうも、はっきりしません。

断層を探しますが新興住宅街でよくわかりません。
どうやら整地されているようです。

住宅街を抜けると田畑が広がり、右手が断層崖のようです。


ここでこの日、唯一の電位を確認。
+1.1kV


こっちの川もグニャグニャです。


断層は雁行配列のようで、いったん切れてから、さらに西で現れています。


ここも宗教臭がプンプンします。


これが断層崖。数メートルの標高差です。


道の両側に石碑が並んでいます。


この丘は元神社かお寺のような雰囲気です。


断層崖の上に大きなお屋敷がありました。


しばらく進むと唐突に断層露頭登場。


十二天露頭といいます。


いまいちはっきりしませんが、礫層と赤土の境界が見られるそうです。


断層崖は十二天の森という公園になっています。

工業高校の横を過ぎると、また公園が。
急に雨が強くなってきたので雨宿りします。


ここにも神社がしっかりあります。
蚕玉神社

公園横の坂を下ると、途中で断層崖がありました。


南北方向に断層崖が続きます。


大きな川はないですが、田切地形出現。
断層が断ち切られています。

石仏が睨みをきかせます。


断層崖の切れ端。
昔は露頭が見られたそうです。


ここも宗教臭がプンプン。
ところで田切地形を作った川はどこへ行ったのでしょう?不思議ですね。


どんどん進むと見覚えのある小道に到達しました。


ここまで「ふるさとロマンの道」に沿ってきたようです。直線的な断層崖のふもとを利用した古代道なのか?


田切駅まで進むつもりでしたが、藪で進めません。どうやら小道は放棄されたようです。

中田切川の田切地形が見渡せます。

崖に沿って飯田線が走ります。いわゆるオメガカーブです。

以前、対岸にケルンコルは見られないと述べましたが、電車が見えるあたりの林は崩れたように見えます。破砕帯なのでしょうね。


断層探検8へつづく

中央構造線の謎
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