断層探検5
故・宮脇俊三先生に捧げる中央構造線縦断の旅  2012.8.11-13
いつかやってみたかった小説に沿ったルートで九州を目指しました。

著作中「九州行・一直線は乗りものづくし」という一編で、先生は東京から鹿児島まで、なるべく中央構造線に沿って旅をしています。


私は飯田線でスタート。
いつもの乗り継ぎ駅、中部天竜。
駅のすぐ東を中央構造線が通ります。


豊橋で豊橋鉄道に乗り換え。
豊橋駅リニューアル後、初めて乗りました。
もうちょっと、乗換えに便利なようにして欲しかったですね。

終点・三河田口駅到着。
路線バスに乗り換えます。
途中見える山は、伊勢神宮外宮の森に似ていました。

伊良湖崎到着。
観光地で賑わっています。


伊勢湾フェリーに乗船。
船に乗るのは久しぶり。

出航すると渥美半島先端の北部が見えてきました。ここを中央構造線がかすめています。


人の住んでいる島がいっぱい見えました。
多分一生行くことのない地域が日本中にいっぱいあるんだろうな。


鳥羽港に到着。
有名水族館はすでに閉館してました。

大雨でJRも近鉄も大混乱でしたが、何とか松阪に投宿。


二日目

先生は近鉄を利用しましたが、18きっぷなので関西線を通って和歌山入り。
和歌山線・粉河駅で途中下車。
中央構造線ですっぱり割れた地域です。


和歌山港から南海フェリーに二度目の乗船。真夏の甲板は気持ち良いです。


淡路島南端を中央構造線がかすめています。


和歌山は天気が良かったのに徳島は雷雨です。


市バスに乗り換えるものの、有名イベントがあるようで大渋滞。
数十分後、ようやく徳島駅に到着。


徳島線でどんどん進みます。
吉野川の川床は緑色片岩のようです。

吉野川と讃岐山脈。
紀ノ川の延長線上、同様にすっぱり割れた地域です。


佃駅で土讃線に乗り換え。
中央構造線は前方へまっすぐ伸びています。
先生の時代はバスで予讃線・川之江へ抜けられたようですが、鉄道で迂回します。

左手の讃岐山脈を抜け、多度津を経由して伊予西条に投宿。


三日目

始発列車でさらに西へ進みます。


跨線橋から南に四国山地が見えます。
松山までの途中、あちこちで緑色片岩の庭石・石碑が見えました。

松山到着。
徒歩で伊予鉄道・追手町駅へ移動。
ここは名所ダイヤモンドクロス交差点。
鉄道同士が平面交差します。

伊予市駅前から路線バスに乗車。
大洲市通過。伊予大洲か八幡浜まで予讃線を利用してもいいでしよう。

佐多岬半島の丘陵が見えてきました。
ほっそいのに長い特異な半島です。


やっぱり緑色片岩でできています。


三崎港到着。
国道九四フェリーに乗船。

甲板で電位計を取り出すと反応がありました。
youtube 国道九四フェリーの静電気

佐多岬はどんどん崩れているようです。
あちこち緑色片岩が露出しています。


佐多岬を通過。
中央構造線はやや北側を通っています。


佐賀関港到着。
一年三ヶ月ぶりの九州上陸。


路線バスに乗り換え。
この辺も緑色片岩で出来ているようです。


中央構造線は沖合いから大分市に上陸後、分岐して?阿蘇山の方面に向かいます。


幸崎駅到着。
本当は豊肥本線で阿蘇に向かいたいのですが、7月の豪雨災害であちこち不通です。
今回はここまで。阿蘇は再訪しましょう。

中央構造線は見事にまっすぐ続いていました。そして西へ行くほど活動は活発なようです。


中央構造線公園  2012.9.2
伊那市長谷の美和湖畔(ダム湖)にある公園を訪れました。
国道沿いの美和郵便局から湖側に下ります。


すぐに公園に到着。
右奥に駐車場があります。


左奥へ進むと二手に分かれます。


断層へは階段を下ります。


溝口露頭に到着。


何本かの断層がはっきり見えます。
解説看板はよく読むほど分からなくなります。


ズバリ中央の黒い筋が中央構造線!たぶん。


電位は安心の−0.1kV


左には鹿塩マイロナイトが続きます。
花崗岩系は風化すると長石が粘土になります。ということは、高級御影石の墓石もいつかは粘土に・・・・。諸行無常ですな。

背後には美和湖。


遠くに分杭峠のケルンコルがくっきり見えます。
来週、満を持して訪問予定です。

散策路に戻るとモニュメントが。


近くに湖に架かる橋がありました。
北側は正面に向かって茅野へ続きます。
中央構造線が活動したらダムは無事で済むでしょうか?とてつもない貯水量ですが・・・。




分杭峠は本物のパワースポットなのか?  2012.9.8
 日本有数のパワースポットという噂は本当なのでしょうか?
一人では怖いのでどさん子野郎さんと訪問しました。
最寄り駅を出発。
8時台なのにワンマンでびっくりしました。


どさん子野郎さんにはばけたんREユータンを担当していただきます。
興味のある方は検索を!

伊那市駅下車。


どさんこ野郎さんによると、ずいぶん寂れたそうです。
そういえば、駅そばもキオスクも撤退してしまいました。


今まで気付かなかった「天竜七石」の標本発見。
どれが何だかは分かりませんが。

JRバス関東の路線バスが入線。


お客は私たち以外は1名のみ。


高遠駅到着。
バスターミナルではありません。「」ですから。


すぐに長谷循環バスに乗り換え。


お客は他に2名。でも高遠町内で降りていきました。


美和湖沿いを南下します。


美和郵便局手前で山道に入り、けっこうスパルタンな道を進みます。


粟沢駐車場到着。



いかにもブーム限定の券売所とグッズ販売所。


駐車場にはけっこう停まっています。


シャトルバスは予約していたので50円引きでした。


ゼロ磁場水は売り切れです。残念。


水を求めてすぐ近くの零磁場ミネラル(株)を訪問。
でも機械の故障で品切れ中とのこと!

工場の西の崖は三波川帯です。
ここは直上ではないようです。


シャトルバス乗車。
けっこう乗っています。
ブームは終わったと勝手に思っていましたが、根強いですね。
休日は20分間隔の模様。

途中、大規模ながけ崩れもあり、道は厳しいです。
車同士の事故現場も見かけました。
必ずシャトルバスを利用しましょう。

峠に到着。
バイクで通ってから10年ぶりくらいです。


早速、左の道を進んで気場へ。


電位は−0kV
わずかにマイナスのようです。

ガンマ線はやや強いです。
これで強いと言ったら福島の人に怒られますが。


ニ十分滞在しましたが特に何も感じませんでしたね。
別の道で斜面を登ります。
殺意を感じるほどの急斜面で、すっかり体力を消耗しました。

さわやかな林道に出ました。


「毎年崩れる崖」だそうな。


そこら中に転がっているのは三波川帯の岩石です。


水場到着。


滝も三波川帯の岩石で出来ています。
この滝の左側で冷たい水が汲めます。


さらに奥に進みます。


少し開けたところで昼食タイム。
静かです。昼寝にもってこいです。


層状の三波川帯の岩石が所々露出しています。


峠に戻りました。
遠くに長谷の谷が見えます。
左は伊那谷からも見える戸倉山


峠のモニュメント。
高遠領を宣言しています。

どさんこ野郎さんはここで心霊写真を撮ってしまったようですよ。

道は南の大鹿村に続きます。
途中で露頭も見られます。

峠を大鹿側へ少し下ると林道発見。


有名な観察路だそうな。


見たまえ明智君。
三波川帯と色も形も全然違うだろ。

花崗岩が変成・風化した領家帯の岩石です。

こっちも、さわやかな林道ですが誰もいません。メジャーではないようです。


峠に戻りました。
標高は1424mもあります。どうりで暑くはありません。

要塞のようにあちこちコンクリートで塗り固められています。


空がぽっかり開けた峠はケルンコルでもあります。
ここは間違いなく断層直上でしょう。


シャトルバスが来たので帰ります。


長谷循環バスまでちょっと時間が空きました。どさんこ野郎さんはムー最新号を熟読します。


長谷循環バスは8分遅れでやってきました。同じ道を引き返し、高遠の町が見えてきました。


とくに急ぐことも無く、高遠駅定時前到着。不思議
どさんこ野郎さんは駅前の猫カフェが気になるようです。


JRバス関東の路線バスで伊那北駅に到着。
予定通りすぐに電車が来ました。

長い一日が終わりました。
残念ながら、電位やオゾンなど特に反応はありませんでした。

でも、その夜、暑くもないのに寝苦しい。
枕が汗でぐっしょりです。熱を計っても平熱です。
おかげて翌日は11時まで動けませんでした。なぜ?

分杭峠おそるべし!?

おっとオゾンロガーを忘れていました。最大0.015ppm。やっぱり平穏でした。




新城の中央構造線  2012.10.8
 三連休の最終日、旅の終わりに三河東郷駅に降り立ちました。

奥のお寺は勝楽寺

お寺の横には、電車からいつも気になっていた坂があります。


低いですが確かに崖があります。


南西を望む。
中央左は巴神社。一見平坦ですが、中央右寄りに微妙な凹凸が続いています。
この辺は+0.1kV

秋葉神社行者石仏。
江戸時代の物だそうです。

緑色片岩が使われています。


さらに進むと湿地に。


これも間違いなく緑色片岩。
ここは三波川帯です。


残念。倒木で進めません。


引き返して別の道から線路近くに出ました。
やぶこぎでドロボウ草まみれになりました。

東に進んでちょっとしたピークを越したところに、山に続く道があります。


坂を登ると愛知新城大谷大学
休みなので人気はありません。
直上に建つ大学です。


行きつ戻りつ、なるべく断層に沿って進みます。ここは工業団地。
−0kV。ややマイナスになりました。

さらに進むとグランドがいくつかあり、少年野球が練習してました。
ここはガランとしています。


高台なので鳥居駅方面が見渡せます。
断層は右手前から中央奥に続くはずです。


鳥居駅に到着。
鳥居は人名に由来します。
ちなみに神社の鳥居はストーンヘンジに由来するというのが私説です。(笑)

新東名建設中です。ずいぶん景色が変わりました。
中央構造線を壮大な高架橋で横切ります。

豊川を渡ります。
眼下に中央構造線があります。


橋を渡るとすぐに案内看板が。


案内に従って急斜面を下ります。


今日の目玉、長篠露頭です。


ここは珍しく、三波川帯の上に領家帯が乗っかっています。
今まで見た露頭の中では、一番のド迫力です。
中央構造線はすっぱりで分けられるわけではないようですね。ここでは(上から見たら)を成しているのでしょう。

国道に戻って進むと長篠城址の案内看板に鳥居強右衛門(すねえもん)処刑のグロ絵が・・・。
長篠の戦い
の織田方の英雄です。その功績で鳥居駅に名前が残されました。この辺りは惨敗した武田軍幹部の墓だらけです。


長篠城址。
桜の季節は素晴らしいです。


長篠城駅到着。
歩き過ぎてかかとがズキズキです。

豊橋で買った稲荷寿しで遅い昼食。
太陽のマテ茶」はお気に入りです。




念通寺断層  2012.11.10
伊那谷断層帯の一部、飯田市・念通寺断層をバイクで訪問しました。

駄科駅近くの断層崖を巡っていたら唐突に念通寺発見!



この崖も断層崖です。寺は元々神社だったケースも多いとのことですが・・・。


なるべく崖に沿って北上すると、沢の上流で行き止まり。


ところが茂みに看板発見。今日は運がいい。


バイクを降りて、観察路を進みます。


けっこう難所!怖っ。


毛賀沢露頭に到着。


すっぱり切れてます。
左が堆積層、右が花崗岩の逆断層です。

西に断層崖がそびえます。
断層は1本では無く、複数あるらしいとのこと。崖の真下にもあるかもしれません。


バイクに戻ってさらに北上します。
三菱電機近くの丘から。標高差は20m位あります。


こういう信仰地があちこちに見られます。
動くなよ、という古代人の執念を感じますね。


下の宮諏訪神社。


典型的な鳥居の位置ですな。


さらに進むと大きな神社、鳩ヶ嶺八幡宮。
伊那八幡駅の名の由来でしょう。

拝殿まで登ると、立ち木がみんな傾いています。最後の活動はけっこう最近かもしれません。なら、しばらく安心ですが。


秋真っ盛り。バイクで走るにもいい季節です。


断層崖の突端まで来ました。直下を飯田線が通ります。
左奥は飯田のシンボル、風越山


断層崖は松川によって浸食されて切れていますが、さらに北の上郷方面に続くでしょう。


10kmほど北上した下平駅付近。
断層崖はずっと続いています。

こちらは伊那市の飯田線車窓風景。
これは断層とはされていませんが、まあ自然に考えれば同様の断層でしょう。他にも南北方向の崖はほぼ断層崖だそうです。

(なお、私は断層と活断層は区別していません。死火山の時と同様にそのうち区別は不可能とされると思っています。)


断層探検6につづく

中央構造線の謎
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