断層探検4
富士川河口断層帯は糸静線?  2012.7.14
三連休を利用して今まで気になっていた所を巡りました。

身延線で南下。
3時間もロングシートはきつい!
沼久保で途中下車。

富士山は今日は見えませんね。
ものすごい湿度でフラフラします。


崖下に下りると富士川河口断層帯の一部が南北に走っています。
身延線はそれに沿って向きを変え、いったん北上します。


次に東海道線・由比駅まで来ました。



糸静線は静岡市に抜けると言われますが、私は富士川河口断層帯が南端だと考えています。
理由は簡単。海底地形を見れば、南海トラフが由比〜新蒲原の辺りに突き刺さっているのです。

東海道に沿って北上します。
近くに漁港があるようで、あちこち桜えびののぼりが立っています。

やっぱり気になる神社
豊積神社で休憩します。

由比川に出ました。
梅雨明け前なので眺望が利きません。


反対側は高速道路のような国道1号と本物の東名高速。そして駿河湾。


今日はお祭りのようです。


ちびっ子たちがワーと走りすぎていきました。
湿気でボーッとしているので、夢の中にいるような錯覚です。


蒲原駅到着。
汗でドロドロです。新蒲原までの探検はあきらめました。

内陸側を見ると崖がずっと続いています。
隆起を繰り返している証拠でしょう。

電位はずっと0kVでした。湿度が高いと静電気は消失してしまうのでしょう。除電の基本です。大地震は冬にしか起こらない原因がその辺にあるような・・・・。

国府津松田断層は真性プレート境界  2012.7.15

熱海で一泊し、早朝、東海道線で国府津に向かいます。
国府津松田断層が見えてきました。

国府津駅到着。
西に崖が見えます。
ここを横切る断層は糸静線同様、陸上のプレート境界です。


御殿場線に乗り換え、プレート境界を横切ります。


フィリピン海プレート上を進みます。


上大井駅で下車。


すぐ目の前に断層崖が見えます。


断層崖の入り口に到着。
あまり汗をかきたくないのですが、ここまで来たら登りましょう。


結構登りました。
今日も眺望はダメです。


次に松田駅で降りました。


ここでも断層崖が見渡せます。
この辺で断層は向きを変え、西に続いていきます。


次に山北駅で下車。
いつの間にか委託駅になっていました。


東名高速が走るこの崖も断層崖では?
プレート境界(神縄断層)は山の中を走っているそうですが、何しろプレート境界です。丹沢も昔は南の島だったそうな。


次に足柄駅で降りました。


足柄山といえば金太郎♪
でも雨が降り始めました。

雨が強くなってきました。
しかたなく、ホームで富士山方向を観察します。
時々、雷とは異なる、ズンズンという重低音が聞こえます。J隊演習だと思いますが、地鳴りだったらえらいことです。

一瞬、富士山が見えたような・・・・。
今回の旅で、富士山が見えた?のはこれっきりでした。
最近、富士山の真下に断層が発見されたそうです。そう、プレート境界でしょう。
相模トラフ−国府津松田−神縄−富士山−富士川河口−南海トラフというプレート境界ラインがくっきりしました。

久しぶりに中央構造線 2012.7.15

一気に東海道線で豊橋に。西小坂井駅で下車。夕方になってだいぶ涼しいです。


久しぶりに電位確認。わずか−0.1kVですが、さすが中央構造線。梅雨でも健在です。


南下して前山神社。


さらに進むと畑が続いています。


東海道新幹線に到達しました。
ここは鉄道に囲まれたパワースポットですな。


南に進むと坂を発見。


確かに1mくらいの標高差があります。


そのそばに平井稲荷神社


ここが断層崖だとすると、ふもとに鳥居、崖上に社殿という典型的な構造です。


ここは稲荷山貝塚という遺跡でもあります。
この一帯で多くの遺体が発見されているという、古代の墓地のようです。

北の飯田線・小坂井駅に向かいます。
一本道を進みますが、左手にははっきりと坂があります。

傾斜の上のお寺の横にも神社が。


やっぱり左側には必ず坂があります。


見覚えのある踏み切りに到達。



さすがに東海道線は平坦に整地されています。


中央構造線上を名鉄が突進していきます。


小坂井駅近くの空き地。中央構造線が通ります。
元は何だったのでしょう?
今はなんと「拠点避難地」。災害時の避難所だそうです。なんて皮肉な。


小坂井駅到着。ここは直上。
今夜は豊橋駅前に投宿。遺跡を訪れたせいか、本屋で古代史の文庫本を買ってしまいました。古代史と神話は神社につながるようです。古い地名にもヒントが豊富にあるようですね。

根尾谷断層と殿堂  2012.7.16

新快速でドヒュンと大垣に移動。
樽見鉄道で殿堂に向かいます。

乗客はやっぱり「モレラ岐阜駅」で全員降りてしまいました。


ひとり、本巣駅に降ります。


根尾谷断層によって形成されたであろう丘陵が見えます。
あっしまった。今日は月曜、連ドラ見逃した。

さらに乗り継いで水鳥(みどり)駅到着。


駅前にこんな看板が。
性格診断ですか?
いや、これは横ずれ断層を表しているのでは?


左に進んで巨大施設が見えてきました。


付属喫茶店その名も「マグニチュード8」。
冗談きついです。


有名断層が見えました。
濃尾地震(M 8.0)の震源となった根尾谷断層です。

地震断層観察館・体験館
まずは館内を見学します。


エントランスでは地震のような振動で歓迎してくれます。


大きな地球儀が特徴です。


奥に進むと、ここの目玉が登場。


断層がきれいに観察できます。
斜めに掘っているので長さがやや誇張されていますが、地震で6mも垂直に移動したそうです。


おっと樽見鉄道は断層を高架で越えていきます。賢明ですね。


反対側から見ると、こちらもくっきり境が分かります。


背後には延長線上に断層崖が見えます。


外に出ました。
さて断層を見に行きましょう。


有名な明治時代の写真の場所です。
道路を整備するのに断層は邪魔ですから、当然整地されています。

ある日、突然、大地震が起き、目の前に崖が出現したら、とりあえず神社を建てておけ!となるかも・・・・。また地鎮祭は地震除けの儀式なのかも?いろいろ考えさせられます。


パンフレット転載

古代人は地震のメカニズムを知りませんから、出現した断層崖を恐れて神社を建てたのは無理もありません。でも明確な段差のない所にも神社はあるんだよな・・・・。いつか天然のセントエルモの火を見てみたい。


展望台に移動しました。
全体が良く見えます。


高台を進むと断層の向こうに神社発見。
やっぱり!
昔の写真をみると、濃尾地震以前からあったようです。

断層に近づきます。
120年以上経過してもこの迫力。

畑ではのどかに家族で農作業中です。


確かに6mの隆起を感じることが出来ます。


断層直上。電位は0kVです。


反対を向くと、観察館に続いていきます。


気になる神社を訪問。


安立神社から断層方向を望む。
神社前の岩石の山はいったい何でしょう?


田んぼや道の整備で断層はだんだん形を変えていくようです。
ここはだいぶ、ならされています。

だんだん日差しが強くなってきました。
梅雨明けも近いようです。


木曽谷の阿寺断層 2012.7.16

中央西線・坂下駅下車。
中央西線の駅はどれも立派です。

駅の横に案内があります。
阿寺断層の横ずれと木曽川の浸食で複雑な地形のようです。


北に進むと、すぐに急な坂が現れました。


中央西線が断層崖に突入しています。


断層直上から南東を望む。
左のコンクリート壁が断層崖のようです。
遠くに恵那山が見えます。


やった−0.1kV
梅雨時に少しでも電位が出ればたいしたものです。

断層崖から南西を望む。
何段も階段状に市街が広がっています。

坂下駅から断層崖を望む。
この阿寺断層も根尾谷断層と平行で、北西−南東方向に延びています。
天正大地震の震源という説があるそうですが、若狭湾や伊勢湾に起きた津波を説明できません。その時は三陸にも津波があったそうです。そんな大地震M9レベルじゃないですか。どこかに親玉がいそうです。

追記 2012/08/26
この断層の北西端・下呂市の下呂駅前にある碑文に地震の伝説が記されています。


調べてみると1265年に(地震で?)温泉が止まったようです。
そしてこの夜、当地で地震がありました。
26日午後10時13分ごろ、岐阜県飛騨地方を震源とする地震があり、同県下呂市で震度3の揺れを観測した。気象庁によると、震源の深さはごく浅く、地震の規模(マグニチュード)は3.5と推定される。(時事通信社)
さすがA級活断層。ちなみに牛伏寺断層はAA級活断層。どんだけ!

境峠神谷断層帯 2012.7.22
この断層帯は変わっています。
上高地・焼岳の辺りから伊那市付近の伊那谷断層までと、善知鳥峠から薮原までの、異なる方向に伸びる二つの断層を一まとめにしているのです。なぜ?
その交差地点である薮原(やぶはら)を訪れました。

産業技術総合研究所. http://riodb02.ibase.aist.go.jp/activefault/index.html


中央西線・薮原駅下車。
明けたはずの梅雨がぶり返しました。

線路に沿って北に進むと崖出現。


その上に神社がありました。
薮原神社


奥に傾斜が続いています。


途中、90度左折してさらに奥に続きます。


社殿が見えてきました。


高湿度の中、ずいぶん登らせてくれます。


社殿を右に曲がるとさらに神社が。
頂上には稲荷神社がありました。

雨で躊躇していましたが、稲荷神社前で電位計をスイッチON。
おお−0.1kV。高湿度、降雨の中、たいしたものです。
ふもとの鳥居までずっと電位は維持されていました。でも電位が出たのはここだけでした。


薮原神社を出て崖に沿って進むと、また鳥居発見。集会所になっていましたが元は神社でしょう。


断層交差推定地点にて
北西方向は焼岳まで続きます。
この先に断層名となった境峠や木曽川の源流があります。

北東には鳥居峠峠山
怪しいケルンコル?が見えます。

鳥居峠にはやっぱり鳥居があるのでしょうか?気になりますが、登山する気はありません。

南東方向は権兵衛峠を越えて伊那市まで。
冒頭の地図を見ると、嫌な事に気付きます。
もしかして、三峰川を通って右下の中央構造線につながるのではないでしょうか?
その方が自然のような気が・・・・。

鳥居峠に向かって進むと天降神社
読み方はいろいろあるようです。

鳥居峠を良く見たかったので、木曽川まで下りました。中山道の難所です。
今は鉄道も国道も長いトンネルでスルーしています。


断層崖(?)を観察すると、さっきは気付かなかった鳥居が見えました。薮原神社から鳥居峠までずっと神社は続いているようです。

鳥居峠の断層は直角に交わるので、やっぱり別物です。中央アルプスに付随する伊那谷断層帯の仲間とした方が良いのではないでしょうか?
そして、境峠神谷断層の方は、根尾谷、阿寺、さらには糸静線と同様に北西−南東方向型です。糸静線を圧縮する力に関係するグループなのかもしれませんね。



境峠神谷断層帯2 霧訪山奈良井断層 2012.7.29
中央アルプスの北端、霧訪山(きりとうやま)の麓の小野神社を訪れました。
辰野で通称辰野線に乗り換え、小野で下車。
123系にもそろそろ引退の噂が聞こえ始めました。

やっぱり暑い。
夏の屋外だけは、現代科学でもどうにもなりませんね。

北へ向かうと国道に大鳥居が架かっています。


市街地の真ん中に市町界が。
いわく付きの境界です。突然、昔の国境が出現するのですから。


この境を西に折れます。
ずっと上り坂です。


道路脇に、こじんまりと神社出現。


さらにその奥の森にも神社。
地図には無い八幡宮


さらに道路を隔ててまた神社?


この中間の道で本日唯一の電位を確認。


さらに西に進むと天満宮跡地
ここまでずっと神社が並んでします。


さらに西へ。
断層崖らしきものが見えてきました。


南西を向く。
先週の薮原までまっすぐ続きます。


北東を向く。
善知鳥峠まで続きます。


暑さで急速に体力を奪われ、断層崖に近づくのはあきらめました。
熱中症で行き倒れても発見してもらえそうに無いところです。
断層崖の下の典型的な位置に鳥居が見えました。


北東に進むと森に到達して、矢彦神社入り口。


でも、どこにも入り口はありません。
しかたなく森に沿って進みます。


矢彦神社入り口に到着。
矢彦神社は辰野町の飛び地です。
地元では全体を小野神社と呼びますが、矢彦神社と小野神社が並んでいます。

ああ、ありがたい。
冷たい清水にありつきました。


矢彦神社拝殿。
やっぱり御柱があります。


北に進むと社地境界標発見。
すっぱり奥まで植生が分けられています。ちょっとJRの社界みたい。

すぐ隣に神鉾社(おほこしゃ)。
小野神社はホコがキーワードだそうです。

小野神社拝殿。御柱付き。
二つの大きな神社が並んでいる、不思議な森です。御柱祭は塩尻市民と辰野町民の両小野地区民が協力して実行するそうな。
いろいろ複雑な歴史がありそうです。

この池のそばでホコを使った神事が執り行われていたらしい、とのこと。
ホコはもしや古代の静電気センサでは?
ネットで見たホコは先端が金属の突起ですが、武器っぽくはありません。

外に出ると、国道は妙に湾曲しています。
街道をそのまま国道にしたのでしょうか?それとも断層崖が関係するのか?

少し離れて眺めると大きな平地林です。
二つの神社の境が市町境でないのはなぜでしょう?(飛び地の境ではありますが)
御柱祭があるので諏訪との関係もあるのでしょう。いろいろですな。


何度見ても気になる緑の崖は断層露頭なのか?  2012.8.4
飯田線の乗り継ぎの関係でよく訪れるこの崖の正体は?

中部天竜駅南のこの崖、何度訪れたことでしょう。
複数の資料から、やっぱりここが中央構造線の露頭ではないかと思うようになりました。

内帯(手前)に赤土、外帯に緑の砂礫、中央構造線博物館で見た実物にそっくりです。

対岸から3月に撮った写真。
ここだけぽっかりと崩れています。
岩石を採って分析してもらいたいですね。

本物なら地名から半場露頭と呼ばれることでしょう。


天正地震の犯人は?  2012.8.4
若狭湾や伊勢湾、三陸にまで津波被害をもたらした天正地震はどこで起きたのでしょう?

その巨大地震をもたらした断層は敦賀湾−伊勢湾構造線と呼ばれる大断層帯が怪しいと思うようになりました。

北陸本線 木ノ本駅から北を見る。
右の山の麓はその一部の柳ヶ瀬断層

南を見たところ。
右には琵琶湖があります。

北国街道の宿場町。
神社も多数あります。

敦賀-四日市のラインを中心とした断層帯なので、付近の北西−南東方向の断層はみな仲間でしょう。
若狭や伊勢はリアス式海岸です。つまり急速に沈降する地帯と言えます。琵琶湖も最深部は海抜0m以下です。浜名湖も別の地震で海とつながったそうな。
ここは第二フォッサマグナとも言える、沈下する地帯のようです。あと足りないのは火山ですね。
産業技術総合研究所. http://riodb02.ibase.aist.go.jp/activefault/index.html

敦賀駅に到達。
大断層帯の陸の北端です。


氣比神宮があります。
越前国一宮。神話の時代からあるそうです。


おっと残念。
もう夕方でした。


海に向かいます。
東側には山が続いています。


敦賀湾の夕景。
今日も暑かった。

北を向くと、懐の深い敦賀湾が延びています。そしてここが断層帯の中心なのでしょう。
まさかこの辺に原発は無いでしょうね、と思ったらしっかりあります。残念・・・。


糸魚川 フォッサマグナミュージアム  2012.8.5
糸魚川ジオパークの中心を訪れました。
北陸本線で親不知駅に近づくと大きな崖が見えます。


糸魚川駅到着。
西に親不知の断崖が見えます。
北アルプスが横ずれ断層によって日本海に落ちて行く場所です。


駅近くのヒスイ王国館
涼しくて助かりました。


ヒスイの加工工場と即売所があります。
数千円からウン万円まで様々。


不思議な地図。
南が上です。糸静線はS字に曲がっていますね。
背骨と同様に圧力を受けると、自然とこのように曲がるものなのかもしれません。
また諏訪湖を中心に点対称にも見えます。
駿河湾−富山湾、伊豆半島−能登半島、親不知−由比の断崖の相似は偶然でしょうか?それから、名産のエビも。

ヒスイ原石が鎮座。
宝石の部分はつるつるに研磨してあります。
川から勝手に拾うと捕まります。

路線バスでフォッサマグナミュージアム到着。
改装中で外観は哀れでした。夏休み期間は避けた方が良かったのでは?

入場料を払って、奥に進みます。
ちょっと甘く見てましたが、圧巻です。
膨大で貴重な岩石が、これでもかと陳列されています。


まずは化石です。
三葉虫の集団化石。レプリカではありません。
買ったらいくらするんだ?とたまげました。
結構、金かかってますよ、ここ。


驚異のウンコの化石。なんて快便。
人はなぜウンコに興奮するのでしょう?周りのちびっ子たちも大人も大興奮です。

太古の恐竜?は自分の快便がスポットライトを浴びるとは思いもしなかったでしょう。

自然金。
これは憧れます。いつか自分で発掘してみたい。


ナウマン博士の部屋。
フォッサマグナの発見者です。
有名ですが日本以外ではパッとしなかったようです。

フォッサマグナのモデル。
つまり日本の真ん中は陥没しているということです。
西の糸静線はいいのですが、東の境界はもっとなだらかに落ちていると思いますが。


ラボもあります。
岩石を持ち込むと、カットしてくれるそうです。


ミュージアムショップも併設。



専門用具も充実です。
ハンマーはちょっと欲しくなりました。


おもわず磁性流体のキットを購入。
ネオジム磁石でスパイクが作れました。

おっとここにあったのか。


庭には鉱山で使用されたSLが。

わずか3000年前に誕生した新潟焼山や糸静線の露頭など、さすが世界ジオパーク認定地域です。地質好きにはたまらない糸魚川でした。




断層探検5につづく


中央構造線の謎
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