断層探検6
糸静線の南端部の探検  2012.11.23
社員旅行の帰路のバスをこっそり途中下車して、糸静線の南端部を探検しました。

興津駅で下車。
時々雨が強くなります。

海に出て、国道沿いを北上します。


右には深海の相模湾。
東海地震の想定震源域東端でもあります。

薩埵峠(さった峠)が見えてきました。
国道や東海道線が出来る前は、山の中に安全な主要街道があったそうです。
(海沿いは親不知同様に断崖絶壁)

要塞のように塗り固められています。
上の方には補修?作業員が2人見えました。


さらに進むと、東名高速はトンネルで峠をスルーしているようです。


おっと、レアなEF200に遭遇。
左奥の斜面には神社も見えます。

由比の町に入り、急傾斜を登ります。
宗像神社を左に進むと・・・、

由比地すべり管理センター到着。


中を見学できます。
昔から雨のたびに地すべりを繰り返してきたとのこと。


この広大な範囲が国費で徹底的な改良を施されました。
水抜き、くい打ち、センサ設置など。


日本中、地すべり地帯だらけです。特に構造線沿いは破砕帯のために危険です。最近、深層崩壊という現象も有名になりましたね。

泥岩は水をかけると泥になる、というのをはじめて知りました。じゃないじゃん!


センターから南を望む。
どこかで見たような風景です。


東にはフィリピン海プレートの先鋒、伊豆の山々が見えます。


由比駅到着。
間違いありません。親不知とそっくりです。

糸静線の北と南が似ているとすれば、やはり入山断層が糸静線のように思います。
あるいは興津川沿いに未知の断層があるのか?


神戸プチ探検  2012.11.24
阪神大震災の地を訪れました。あの日、神奈川県に住んでいましたが、気味悪く揺れたのを覚えています。
阪神線 岩屋駅下車。


周りは新しい建物ばかりです。


復興住宅でしょうか?


海に向かって歩くと、人と防災未来センター到着。

受付を済ますと、エレベーターで上階に案内され、地震発生時のイメージ映像を見ます。その後、崩壊した町のセットを通り、さらに体験記のような映像を見ます。

その下の階から資料展示。


猫の異常に気付き、かぶったヘルメットだそうな。
猫は異変を察知していたのですね。

側溝のフタ。
となりのおじさんがしきりに驚嘆していました。


多くの展示で被害の大きさを伝えてくれます。


震災の記念物があちこちにあります。
別の機会に巡ってみましょう。


上の大きな球(M9)は3.11以降に追加したのでしょう。
なぜ最初の発表はM7.9だったのか、悔やまれます。


備蓄グッズがずらり。
全部そろえたら登山が出来そうです。


西日本では南海地震が恐れられています。
死者最大32万人とは壮絶ですね。


別棟には3.11の展示があります。
先人が建てた津波碑や神社はやはり大事でした。大切に伝えていきましょう。


神戸の町は六甲山から海までなだらかに傾斜しています。電車から見ると階段状のところもありました。伊那谷に似ていますね。六甲山と平行に何本も断層があるのでしょう。


あの時、被災者はヘリコプターの轟音がわずらわしかったとのこと。報道の映像と背筋の寒さがよみがえってきます。

3.11の記念館もそのうち出来るでしょう。ずっと伝えていくのは大事なことです。
地球の一生(100億年)を人間(100年)にたとえると、1000年はたった5分の事ですから。



岡谷の伊那谷断層北端  2012.12.01
糸静線につながると考えられる、伊那谷断層の北端をたずねました。

諏訪湖西岸の岡谷市には糸静線にまつわる断層が何本も走っています。
伊那谷断層はここまで伸びてはいないとされていますが、当然、、北端部は岡谷市辺りで糸静線に接続していそうです。
産業技術総合研究所. http://riodb02.ibase.aist.go.jp/activefault/index.html


岡谷図書館で情報収集の後、西の丘陵を目指します。

御影町公民館前にて。
久しぶりに+0.6kVを確認。
静電気の季節がやってきました。


崖に沿って南下します。


わずか100mほど移動したところで、電位が反転し-0.2kV。この後ほぼ変化なし。
この辺一体が糸静線です。

糸静線は北へ続きます。その先で最も危険な牛伏寺断層につながります。


崖に沿って魔王社
厄除けの神様だそうです。

すぐ先に金山神社
広い境内に祠がいっぱいあります。


さらに怪しい広場が。


やっぱり神社がありました。
三山神社
この辺、神社密度が高いです。

諏訪湖が見えました。
岡谷駅周辺の市街地は全域が糸静線直上です。


さらに進むと岡谷ジャンクションが見えます。


高速道路のすぐ隣に蓮華不動院
昔からの山の神の聖地だそうな。
糸静線の活動によって天竜川が流れ出したとしたら、古代人の避難場所だったのかもしれません。

天竜川右岸の崖は伊那谷断層といってもいいでしょう。多分。


ところどころ鳥居や祠があります。


急傾斜が塗り固められています。


大きな熊野神社。
隣にはお寺もあります。


中央線に至りました。


断層崖(推定ですが)に突入していきます。
こういう光景は何度も見ましたね。
塩嶺トンネル(約6km)。

トンネルの上には古い石造物群が。


鶴峰公園から北を望む。
左の丘陵が伊那谷断層の北端(推定)です。


南を望む。
川岸の市街地は神戸のようですね。

お腹がすいたので、近くの九ちゃんラーメンでチャーシューメンを食す。うまし、満足。


泣く子も黙る牛伏寺断層  2013.03.20
日本最強の活断層、牛伏寺断層を訪れました。
糸静線陸上プレート境界、平均10m/1000年の変動、なのに1200年動いていません!

松本バスターミナルでバスを探します。
どの町の路線バスでもローカルな行き先ばかりで、大抵わけが分かりません。

やっぱり間違えました。
いやな予感がしたので、当初の行き先と同じ料金のバス停で下車。でも方面は合っていたようで、ここは寿台
バスは西に折れて行きました。

東を向くと山が見えます。

もうすぐ寒冷前線が通過する予報なので怪しい雲が広がっています。

ずっと坂道を登って当初の行き先、中信松本病院
すぐ先に断層崖が見えます。

さらに進んで断層崖に到達。




北西を望むと断層崖が続いています。


電位は+0.3kV。平穏です。

小さな川が流れています。


これが牛伏川。
きっと牛伏寺はこの上流にあるのでしょう。


少し南に進むと親切な看板が。
牛伏寺は有名なようです。


立派な看板も出ています。
なに厄除観音ですと。そりゃそうでしょう。凶悪活断層の鎮めですから。

山道に入ってすぐにトレンチ調査?


断層はないようですがフォッサマグナらしい礫層です。


急坂を振り返るとけっこう登っています。
この辺にも付属の断層があります。


さらに進むと右はゴルフ場。


ややフランス式階段工とは気になります。
でも、ちょっと遠い・・・。

この辺りが断層直上です。


北を向いたところ。
どこかにケルンコルがあるはずですが、木々があってよく分かりません。


電位は0kV。妙にうねるアスファルトを進んで断層を越えます。
周囲には保養地のような施設がいくつかあります。

牛伏寺到着。
756年創建。約1200年前。
やはり地震と関係があるかもしれませんね。
縁起によると赤黒二頭の牛がここで死んだそうな。なぜ同時に死んだのか、ミステリー。

でも立ち入り禁止?
人の気配がありません。


おや、だまされた。
まだまだ先のようです。

雨がポツポツ降ってきたので退散します。

この急坂でランニングしているツワモノを二人も見ました。
断層崖の平和利用ですな。

牛伏寺断層は、地図で見ると明瞭な一本のスジが分かります。いつか全域を縦断してみたいものです。



牛伏寺断層でずれた川  2013.5.12
今回も糸静線です。

篠ノ井線 村井駅下車。


東に山が見えます。
その麓が糸静線の一部、牛伏寺断層

遠いので路線バスを待ちます。

白川バス停で下車。
さらに東へ進んで川を越えます。


断層崖に到着。
丘の上には新興住宅街・・・。
さぞかし眺めは良いでしょうが。

断層崖を登ります。
ご老人が時々四股を踏みながら散歩しています。四股は大地を清める儀式だそうな。

そういえば昭和の大シャーマン昭和天皇も四股が好きだったとか。

道の脇には不思議な祠が。


おっとありました。宮入川
右が現在の流れ。
左が昔の?流れでしょう。


Googleマップ より

「都市圏活断層図」より

ここを境に横ずれしています。
何度かずれる度に川が湾曲し、不都合なので河川改修したのでしょうか?
古い流れは三日月湖のようになっています。

おや、現在の流れを調べても分岐が見つかりません。


公民館の名は「尾池」。
もしかして「お池」が語源か?


少し進んで振り返ったところ。
確かに中央の集落は一段低くなっています。


その集落に潜入します。
用水路からあふれた水は、宮入川より下へ流れていきます。


その流れをたどって行くと・・・


あった。
これが古い流れでしょう。
水はほとんどありませんが、ゆっくり流れてます。


その流れは90度曲がって・・・


断層崖で行き止まり。


ではなく、暗渠になってまた90度曲がっています。


断層崖は北へ続きます。


振り返ると、やはりこの辺りが一番低くなっています。
もしかしたら、断層湖のような「お池」があったのかもしれませんね。

引き返して、もう一度良く調べると、昔の流れは完全に塞がれていました。

ここまで電位はほとんど0V。静電気の季節はもう終わりでしょうか?

さて帰ります。
さっきの四股散歩ご老人が歩いていった、右の下り坂を通ってみます。

坂の途中に弥勒堂(跡?)発見。
お堂は見つかりませんでした。

麓の川は牛伏川でした。


振り返ると、まさか地震雲か?(笑)
飛行機雲とも違うような・・・。

牛伏寺断層は松本駅方面へ続いていきます。


午前中なら北アルプスが絶景でしょう。
北アルプスも糸静線がなかったら出来なかったでしょうから、なんとも複雑な気持ちです。

いつかは必ず動く糸静線。どうか地震予知技術が間に合いますように。


松本盆地東縁断層  2013.5.26
今回もしつこく糸静線です。

大糸線 島内駅下車。


東に遠く断層崖。
その麓にも断層があるのですが、今日は別に平地を走る断層を探検します。

電位はずっと平穏でした。

東に進んで、この辺りが直上のはず。
どうして直上はぽっかりと空き地が出来やすいのでしょうか?

少し進んで振り返ったところ。
道路の湾曲はやっぱり怪しい。
おっと正面に神社があります。


地図にない神社。
鳥居と社殿が90度食い違ってますが、移築でもしたのでしょうか?


線路を挟んで断層と対峙しています。
石碑によるとここは「青島村」だそうな。現代の地図には無い地名です。


北へ進みます。
ここにも空き地が。


千国街道に出ました。


やっぱり空き地が!


街道を渡って直上を進みます。


水田では凹凸が分かりませんが、ところどころ東に向かって確かに下り勾配があります。

おっと、はっきりとした坂があります。


ここが断層崖。
今日はじめての対面です。


またまた空き地。
まさか火事が起きやすいのか?((;゜Д゜)


お墓に囲まれた公民館。
元は宗教施設だったに違いありません。


用水路沿いに進みます。



道なりに進んで発見。
地図を良く見ないで失敗しました。正解は左の方向。


右へ進むとすぐに崖を発見。


てっきり断層崖だと思いこんでしまいました。


崖に沿って遊歩道を進みます。

それにしてもこの辺は大きな用水路が縦横に整備されています。

壮大な高家バイパスに到達。
写真中央を断層が横切ります。

右奥はスポーツ施設ラーラ松本

断層直上のラーラ松本を過ぎ、梓川を渡ります。


断層も川を渡ります。


対岸に渡りましたが断層の気配はありません。
そろそろ帰ろうと思いますが、近くに駅がありません。もう少し進んでみます。


特撮ヒーロー物のロケ地のような荒涼とした道を進みます。


ここにも広大な空き地が。
元は何だったのでしょう。


水田地帯を断層は走ります。



久しぶりの集落。
また間違って右に進んでしまいます。


大きな春日神社
断層とは関係なさそうです。

右奥の赤い建物は県立こども病院
このどこかを走っているはずです。

西に進みます。
特に勾配も無く平坦です。


あっとびっくり。西に向かって下り勾配があるのでした。東から見ても見つからないわけだ。


そして下り坂の先に地図に無い神社が。





断層崖なのか、人工的な土手なのか?
よく分かりませんが、地図によると直上です。

直上を進みます。


おっと左奥に見覚えのある建物が。
一年前に探検したエプ○ンさんの工場じゃありませんか。

もう足が棒ですが、頑張ることにします。

東を向くと正面に市立アルプス保育園
地図によるとやっぱり足元に断層があります。


南東に怪しい雲がかかり、ゴロゴロと雷が鳴っています。
この日、美ヶ原にひょうが降ったそうな。


ようやくエプ○ンさんに到達。
軽く10kmは歩いたでしょう。

田沢駅で帰りの電車を待ちます。
東に断層崖、神社付き。
篠ノ井線は山側の糸静線直上を進みます。

断層は地下の親玉の震源断層と、地表に出来る地震断層に区別されるそうな。だから地上には平行に何本も断層はあるのですね。



つづく

中央構造線の謎
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